2006年01月06日

こーいうのが最悪。

いやぁ、年始早々の「悪」の字ですみません。
でも、どうにもこんな「流行りモノ」が許せないので、いきおいでポスト。

コレによるとですね、

耐震強度偽装問題を受けて「日本建築士会連合会」(東京都港区)は6日、北側一雄国土交通相に対し、建築士法改正などを求める提言書を提出した。建築士の質向上には継続的な研修が必要で、法改正で受講者を増やす環境づくりを進めるとしている。
って、一見もっともな理屈ですが、さて、どうでしょう。そこでどーいう「研修」すれば「耐震強度偽装」の再発が防げるっていうんでしょう。

「建築士の質向上」と簡単に綴ってますが、この「質」っていう文字。今回の問題に限ってみれば、それは「技術の質」ではなく、単なる「モラルの質」ってことでしょう。
つまりこの「研修やって技能を高める」というストーリィはちゃんちゃら筋違い。じゃ、直球で「モラルを解く研修」っていったい何をやるんでしょう。免許の更新のビデオみたいなやつでしょうか。あるいは寂聴さんのビデオみたいなやつでしょうか。

同会は、職能団体を通じて研修を受けるよう働き掛けることで、受講者増につながるとしている。
百歩譲って、間違って「技術の質を保たなきゃ」って本気で思ってるのだとすれば、それなら簡単ですよ。「研修」じゃなくて、ずっと「試験」を更新制に変えてやり続ければいいだけですから。(これなら有資格者の実態も把握し続けられて一石二鳥。)

…なのにね、そうはしないってことでしょう。

いわんやそこには、あくまで【研修】というビジネスを創って、新しいお仕事を積み重ねたい団体さんの思惑が見え隠れ。
ひるがえってみるに、このギョーカイの団体さんが、こういう類の「もっともらしい正義の理屈」を装って、変テコなスキームを創りだしてビジネスやってたってことが、そもそも今回の問題の根源にあったのではないですかい。



瀬戸内寂聴の人生相談(1)
NHKソフトウェア (2001/11/22)


△投稿者 satoru : 2006年01月06日 19:38

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▽ka-ko さんから、2006年01月07日 16:47のコメント

ここ最近ずーっと思っていたことです。
問題視されているトコがヘンなんだよ。
偽造が見抜けなかったことが問題の様に思われているけど、
見抜いているのにそれが言えなかったトコとか、
偽造したコトが自体が問題で、
もっと道義的な部分のコトやん、と思った。
利害関係とか入り組む建設業界の体質を変えないと、
別に1級建築士の質を上げても変わらないよね・・。
そもそも国がぐちゃぐちゃにした挙句、民間や地方に押し付けられた感じがして、なんかムカつくねん。

久々に出てきたと思ったら、なんかアツくてマジなコメント書いちゃったい(笑)。ぢゃ。


▽ぎね。 さんから、2006年01月08日 03:17のコメント

ka-koさん、熱いっすね。

おっしゃるとおり、
設計者の道義的問題であると同時に
建築業界の仕組み・体質に問題があるのです。

私の立場としては、この機会に乗っかって
「建築士」という職能の社会的地位向上を訴えたい。

建築士の職能について議論するとき、
よく引き合いに出されるのが「医師」ですが、
「診療費を値切る患者はいないし、診察費の安さを売りにしている医師もいない。」
というのは医師という職能の地位が確立されていることを表す端的な例だと思います。

建築士も、クライアントの誤った要求に屈しない、
設計報酬での競争が起こらない、
技術力や社会的責任力の競争で淘汰される、
といったしくみをあらためて考えるべきではないでしょうか。

各団体も、そこを訴えるなら脈ありと思いますが、
こんな提案では腐っていると言わざるを得ません。

ちなみに1級建築士の技術的質は実務を経験することにより向上するのであって
研修をしたって免許を更新制にしたって上がりません。

・・・
姉歯氏の行為は情状酌量の余地ゼロで
あることを付け加えておきます。


▽satoru さんから、2006年01月08日 13:54のコメント

わたしのポストの重心は、個別の事件についてどーのこーだといいうより、一歩手前。
なんらか不幸な出来事や難解な問題があると、それに便乗して、一見正義っぽい(しかしちょっと考えればすぐ間違ってると気がつく)ショボイ理屈を振りかざし、よのなかをミスリードしながら、変テコな仕組みを創って儲けてやろうとするひとたち。」が許せん。
というところにあったのですけれど。

かの子どもにぴーぴー無線機付けるビジネスも、ヒートアイランド対策に「屋上緑化」だと唱え続ける官民もおんなじこと。

もちろんそこで、ただしい理屈の元に、もっともなソリューションが正当なビジネスとして提供されるのなら大歓迎だってことはいうまでもありませんが、どうもここ最近、不幸をエサに嗅ぎ回ってるような公「的」機関が溢れてるよーな気がしてなりません。

というわけで、この戌年は、「柴山くん」とともに「あやしい理屈」もウォッチしていきたいと思います。

--

一方、かの事件について、なんだか熱い想いを抱えてるそこの二名の一級建築士さんたちは、ええぃ。重要な関係者として熱い舞台に参考人招致だ。

日時は再来週の土曜日、場所は堺の…、って、招致されてるのはわたし?


▽よっぴ さんから、2006年01月12日 22:22のコメント

いまさらのコメントですが、
うちの業界にもよくある話。

クライアントの要望に屈する○○士。
やだやだ、こんなの。




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