2006年01月19日

はやってるみたいなので、いっちょかみしてみる。

新聞テレビからお昼の定食屋さんまで、わーわーと騒がしい例の件。
わーわーやっといてもらうのは一向に結構なんですけれど。
またもや、これに便乗してどうにもスジが違う変な理屈が大手を振ってるのが納得いかない。

代表的なのが、今朝の読売新聞さんの[株取引停止]「東証をマヒさせたライブドア」というこんな社説。

ライブドアグループによる証券取引法違反事件で、東京株式市場が一時的に機能マヒに追い込まれた。

東京証券取引所は18日の午後に入って、株式の全銘柄の取引を全面的に停止した。売り注文がコンピューターの処理能力を超え、システムダウンの恐れが出てきたためだ。

システムが正常に動いているのに、証券取引所が自らの判断で取引を停止するのは前代未聞のことだ。主要国の取引所でも前例がない。東証の国際的な信用を低下させる恐れもある失態だ。

ここまでは事実の併記。「かの事件がきっかけで東証が機能マヒに追い込まれた」「それは注文が殺到してシステムダウンのおそれが出てきたためだ」「これは前代未聞の失態だ」と述べられてます。
はいそのとおり。問題ありません。
あやしいのはこのあと。
引き金は、ライブドアグループが強制捜査を受けたことで、個人投資家が動揺し、大量のろうばい売りに走ったことだった。ライブドア本体には粉飾決算の疑いも新たに浮上している。事実とすれば投資家の信頼を裏切る行為だ。ライブドアの罪は極めて重い。
ここには事実の後に「罪が重い」という見解が書かれてます。
これが変。
「罪は極めて重い」といってる「罪」は、何に対しての「罪」を指してるんでしょう。
「新たに浮上した粉飾決算の疑い」については(それが事実だったとすれば)「罪」があるかもしれません。
でも、この社説は、あくまで「システムがマヒした」という失態が主題です。
「システムをマヒさせた」という「極めて重い罪」。「東証のシステムがマヒした」ことの責任が、ライブドアにあるんでしょうか。

ことが「罪のあること」だったから、一見まっとうなように読めてもしまうのですけれど、「ライブドア」が「システムのマヒ」に対してやったことは、「引き金をひいた」だけ。
たとえば、本業で「ある日突然、商品のもの凄い欠陥が発覚して大量のリコールを発生した」とか「これまでトップダウンでワンマン経営をやってきた社長が不慮の事故で亡くなってしまった」とか、あるいは「テポドンが首都を直撃した」とか。「個人投資家が動揺し、大量のろうばい売り」を引き起こすようなシチュエーションはいくらでもあるはずです。
こういったまっとうなビジネス上のトラブルが「引き金をひいた」ときにでも、「東証をマヒさせたのは極めて重い罪だ」と罵られるのでしょうか。

10億の株が市場に流通してることも、これだけの個人投資家がネットを利用しているということも、すべては周知のことだったのですから、これらが「一斉に売りに出される」ことなんて当然「想定」したシステムであることが必然だと思うのです。
ブラックマンデーのような恐慌が日本を襲ったときにでも、「400万件を超えたので店じまいしました」なんて説明をするつもりなんでしょうか。

つまるところ、これはどうみても「東証の罪」。

たしかに後段で「東証にも責任はある」的な展開を拡げ、「仕組みを見直せよ」という結びに落とし込んでるのですが、その論旨に対してこんな表題を付けてるようでは、暗に印象操作を企んでるんだってことに思えます。

さらには、どさくさに紛れて、今度は当事者であるのはずの東証が自らの欠陥を正当性を装いつつ覆い隠そうとしているところ[=感じたとおりのことをひろゆきさんが書いてたのでリンクしてみました]にも、さらに「極めて重い罪」の感を禁じ得ません。

…という熱い主張とは何の関係もなく、

きょうも、日本経済制覇に向けて「今月の一株」買いました。

次の銘柄が約定しました

2006/01/19 12:30:00
市場外7974/任天堂
プチ株買/成行
約定単価 15,110円
約定数量 1株
受渡金額 15,425円


わたしは「レボリューション」を応援します。


△投稿者 satoru : 2006年01月19日 17:40

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» 今日の社説を派閥に分けてみた:東証売買停止問題 from kenji145の日記
◎東証もっとしっかりしてよ派 (日経新聞)脆弱な構造映した株式市場の混乱 http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/200... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年01月19日 18:56

» ライブドア社長の堀江貴文氏を逮捕 from 今話題の情報を集めています。
ライブドアグループの証券取引法違反事件で、東京地検特捜部は23日、同法違反容疑で堀江貴文社長(33)らを逮捕した。株の時価総額拡大を目標に短期間に急成長した企業... [続きを読む]

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