2005年12月14日

耐震強度偽装問題の問題偽装問題が発覚。

「マンション住民が再建案 容積率増やし売却益 耐震偽装」というasahi.comさんの記事が目にとまる。

[また「愛」にあとから万博を付け足された如くひそり書き換えられるとアレなので、ただいま現在の表示を引用しておきます。]

建物の強度偽装問題で建築基準法に基づく使用禁止命令が出た川崎市川崎区の分譲マンション「グランドステージ川崎大師」(23戸)の住民が、住民主体の早期建て替え案をまとめた。9階建てのまま容積率(敷地に対する延べ床面積の割合)を増やし、新たに生じたスペースの売却益を活用して「原則2年以内の建て替え」をめざす。
とここまで読むと、さて、どんな凄い解決策を編み出したのかと、当然ながら興味が沸くわけですね。
で、続きがこう
住民の案によると、現在300%の容積率を400~500%にし、階数・高さと居住者23戸の床面積は変えず、増えた容積率の分の空間を売却。市などの助成金と合わせ、建て替えにかかる諸費用に充てる。新たなスペースの使い道として、高齢者向け賃貸住宅や保育所、図書館などを提案している。
しばしアタマにパズル絵を描いてみたのですが、さっぱりわかりませんよコレ。
容積率(=床面積)を1.5倍くらいに増やすのに、「階数も高さも変えない」なんてどういうことなんだろうか。あとはヨコへはみ出させるしかないから、じゃ建ぺい率を上げろってことなんだろうか。いやちょっと待て、建ぺい上げたら容積が下がるじゃないか。ぐるぐるる。
さらにはこう続きます。
容積率は都市計画の規制があるため、指定変更か、敷地内に歩行者が日常利用できる空間を作って容積率を増やす「総合設計制度」の利用を想定している。市まちづくり局は「この建物の土地だけを特例として指定変更するのは周辺との兼ね合いもあって不可能。総合設計制度を中心に検討する」としている。
ってなんですか。タダでさえヨコにはみでそうなのに、総合設計制度ですか。どこで空地をとるんですか。。。

と、四次元ポケットのような思考に転落。

そこでようやく、他のメディアなら説明してくれてるかな。と気がまわって、さらにググってみたところで、衝撃の結末が…。

テレビ東京さんのフラッシュニュースがこれ

…。現在の9階建てのマンションを解体した後、15階建てに高層化し分譲するというもので、建て替え資金を捻出するのが目的です。強度偽装問題で住民側が独自の再建案を示したのは初めてのことで、この案は全戸一致で採択されました。しかし実現には、容積率の見直しなどの規制緩和が必要で、住民側はきょう、川崎市に支援を要請することにしています。

サンスポさんの記事がこれ

耐震強度偽装問題で、使用禁止命令が出た川崎市のマンション「グランドステージ川崎大師」管理組合は12日までに、従来より高層化して余剰分を分譲することで建て替え資金を捻出する「建て替え推進決議」を全23戸一致で採択した。震度5強で倒壊の危険が指摘されたマンションで住民側が独自の再建案を示したのは初めて。…

何をどうまちがってこんなヘナちょこ記事になったんでしょうか朝日新聞さん。
ウチとってませんけれど、もしかして紙面も間違っちゃいましたか?
あいかわらずの詰めの甘さ。反省してください。

そもそも技術的にそんなウルトラCが2週間で捻出できちゃうんなら、いまだに神戸で10年11年と苦労してるひとたちはいったいなんなんだ、って話ですよ。



「朝日」ともあろうものが。
烏賀陽 弘道
徳間書店 (2005/10/22)
おすすめ度の平均: 5
5 朝日の内情は、日本社会…
5 大変良い本です。皆さん…


△投稿者 satoru : 2005年12月14日 02:27

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